◎忙しい日々とアディクションの危険

忙しい日々の中で、あれもこれもと問題が重なり、ツラい状況が続くことはありますよね。
そんなとき、以下のような行動を取ってしまうことはありますか?

・仲間と飲みに行く
・パーッと買い物する
・甘いものをたくさん食べる
・パチンコに行く
・もっと仕事をして家で起きていることを考えないようにする

これらの行動は、一時的に心の痛みを麻痺させることができますが、
習慣化するとアディクション(依存症)に進む危険があります。

◎アディクションの影響とリスク

アルコールやタバコ、ギャンブル、恋愛、甘いものを食べる、ひとの世話をする、がむしゃらに仕事をするなど、
これらの行動にのめり込むことで痛みを忘れ、直面したくない問題から一時的に逃れられると、
人はその行動に依存しやすくなります

薬物もそのひとつですが、話題になる違法ドラッグだけでなく、
処方箋薬物への依存もとても多いです。
これらの依存は健康に害を与え、生活や人間関係にも悪影響を及ぼします。
アディクションは、意志の力だけではどうにもならない問題であり、専門家への相談が必要です。

◎心の穴を埋めるために

こころの痛みを麻痺させ、こころにあいた穴を埋めるために、何かに没頭し、依存していくのですが、
私はこの「こころの痛み」や「こころにあいた穴」は「愛」だと思っています。

自分は大事、自分は愛すべき存在、このままで自分には価値がある、そう感じられていたら、
何かにのめり込んで健康を害すようなことはしないでしょう。
その前にやめることができるし、「やめたい」と口に出すこともできます。

しかし、体調を崩したり、家族との関係が悪くなるまで働き続けたり、
健康を害するまで吸う、飲む、食べるという行動は、
自分で自分を痛めつける行為のようにも思えます。

◎トラブルや問題の裏にあるもの

アディクションまでいかなくても、なぜかトラブルに自分から関わってしまったり、
周りで問題が起きやすいと感じることはありますか?

例えば、ジェットコースターのような刺激を求めることや、
辛いもの(塩辛いではなく、キムチや一味のような痛覚に訴える辛さ)を好むことも、
心のどこかで痛みを求めている表れかもしれません。

自分を大切にすること 

なぜ自分を大事な存在だと感じられないのでしょうか?
もしかしたら、子どもの頃に「あなたは大事だよ」「大好きだよ」というメッセージ
親から十分に受け取れなかったのかもしれません。

「こんなこともできないのか」「これぐらいできて当たり前」という否定的なメッセージや、
何かができたら褒められる、認められるという条件付きだったのかもしれません。


大きくなってからでも、先生や上司、恋人など
「きみは素晴らしい」「あなたはそのままで素敵だよ」と
存在丸ごと認めて愛してもらえる人に出会えていたらよかったけど、
まだそういう人に出会えていないのかもしれない。

それで、
こころの穴を何かでうめようと一生懸命になるのだけれど、
何をやっても満たされない。
愛がほしくてあいている穴は、
愛でうめないと、ピタッとパズルのピースがはまらないから。

◎心の穴を満たすために

そのため、心の穴を何かで埋めようと必死になるものの、何をやっても満たされないことが続きます。
愛がほしくて開いた穴は、愛でしか埋めることができません。
お世話になっているカウンセラーの方が「自分は愛されて当たり前だと誰もが思えたらいいですね」
とおっしゃっていた言葉が心に残っています。

シャンパンタワーは、一つが満たされて、
そのあと次々と他のグラスへも注がれて、
またそれぞれが満たされていきますよね。
まずは自分のこころを満たしましょう。
そうすれば、他の人にも優しくできるようになります。
子ども時代に受け取れなかったメッセージも、気づいたときから受け取っていいのです。

◎そのままのあなたが素敵です

「そのままのあなたが素敵です」というメッセージを、自分自身に何度も繰り返し伝えてあげましょう。
親しい人に頼んで、繰り返し言ってもらっても構いません。
自分がそう思えるまで、何度でもくり返し。

ひとに褒められたり感謝されたときは、「いえいえ、それほどでもありません」と否定せず、
その言葉を素直に受け取りましょう。
そして、その言葉を自分に何度もくり返し言ってあげてください。
きっと心が温かくなってくるはずです。