「タイムアウト」って?

子ども一人ひとりいろんな特性を持っているのですが、

何かの刺激や引っかかりがあると、ワーーーッと大声を出したり泣いたり暴れたり
パニックのようになる場面に出会うときがしばしばあります。

この出方やきっかけも子どもによって微妙に違うのですが、

そんなとき、具体的な手立てとして
タイムアウト」といって、少しクールダウンする時間を持つと、落ち着くのに有効です。

あらかじめ子どもたちと約束しておきます。

泣いたり怒ったりしてワーーーッとなって話ができないようになったときは、
ここの場所に来ていい。

落ち着いたらみんなのところに自分で帰っておいで
と。

そんなふうに子どもと話ができたのは、保育園の5歳児クラスでした。

「タイムアウト」の場所は、
みんなから少し離れた場所で、
けれどみんなからも見える場所。

みんなから完全に切り離してしまうわけではないのです。

少し狭くて、近くに壁があるといいです。

だだっ広いところは、子どもはかえって不安になります。

制限があるところがいいですね。

壁に何か貼ってあったり
いろんな音が聞こえてきたり
物が置いてあるような場所でなく、

刺激のないシンプルな場所。

「タイムアウト」の効果

「タイムアウト」は、やってみてとても効果的でした。

子どももその場所があることで
何か引っかかりがあったとき、自分からその場所へ行くこともありました。

自分が落ち着けるとわかったのですね。

自分から戻ってこれないときは、
保育士が迎えに行くこともありましたが、
そのときには子どももずい分落ち着いているので、
話ができる状態になっていました。

その子を待っている間、他のみんなにも前もって話をしておきます。

○○ちゃんは今落ち着くのにあの場所にいるから、静かにしといてあげよう。

落ち着いたら自分で帰ってくるから、それまで待っていようねと。

保育士でなく子どもが迎えにいくこともありました。

そのときにも落ち着いてみんなのところへ戻ってきます。

(まだ時間が必要なときは子ども自身がそう友だちに伝えていました)

子ども自身だけでなく、大人にとっても「タイムアウト」はやってよかったです。

間をおき、実質的な距離もおくことで、
両方が冷静になれました。

子どもが興奮しているときは、話ができないし、
大人が手を握ったり抱きしめようとしても
かえってそれが刺激になって逆効果になってしまう。

ワーーーッとなった状態のときは、
みんなと一緒に何かすることはできない
というメッセージが子ども自身に入ったこともあるのだと思います。

自分は今好ましい状態じゃないのだと。

落ち着いてからは
お互い冷静に話ができるので
次にもつながります。

タイムアウトは
大人同士でも有効です。

ちょっと間をおいてお互いクールダウンする。
その場から離れて距離をおいて
そのときの空気をちょっと変える。

しばらくしたら
落ち着いて話ができることは多いと思います。

☆”それっきりにはしないでね