子どもの「思い込み」が形成される過程

学童期の子どもたちを見ていて
「え?なんでそんな反応するの?」
「それほど難しくないけどどうしてこれができないんだろう?」と感じるときがあります。
このような場面で、子どもに話を聞いてみると、経験の幅が驚くほど狭いことに気づきます。

私が保育園勤務時代に子どもたちと遊んできたことや
大切に思って必ずやってきた活動を
ほとんど経験していないのです。

親(特に母親の影響が大きい)が虫が嫌いであれば
子どもも(男子でも)何か飛んでくるだけで「ギャー!」となり、虫を怖がるようになります。
また、親が全部お世話している場合、
子どもは高学年になっても学校に着ていく服を自分で用意できません。
水遊びの経験も不十分だったり、親に「やめときなさい」とくり返し言われていれば
大きくなっても濡れるのがイヤで水に寄り付かないし、
砂やどろんこあそびの経験をしていなければ
いろんな感触(=経験)が受け入れられません。

こうした日常の小さな出来事が、子どもの潜在意識に深く刻まれ、
「虫はキモチワルイ、コワイ」
「自分の身の回りのことは自分でやらなくてもいい。誰かがやってくれる」
「新しいことに挑戦するのが怖い」
といったパターン、思い込みが形成されます。

親(や身近な大人)の関わり方が子どもの潜在意識に与える影響

幼少期に繰り返し言われたことや、経験したこと、しなかったことは、
その後の人生に大きな影響を与えます。
子どもにそれぞれ特性はありますが、親や身近な大人の関わり方、環境が
さらにそれを強化していることも多くあります。
乳幼児期に何度もくり返し言われたこと、あるいは経験していないことを
小学生になってから挽回しようとしてもなかなか難しいことが多いです。
ですが、それでも気づいた時からやり始めることは重要です。

このように考えてくると、
親や身近な大人がどのように子どもと接し、どのような言葉をかけるかが、
その後の子どもの成長に大きな影響を与えている
ことがよくわかります。
幼少期にどのような体験をしたかが、子どもの潜在意識の基盤をつくり、
その後の人生に多大な影響を及ぼしているのですね。

潜在意識を変えるための第一歩: 自己認識と感情の整理

私たちが大人になってからストレスや生きづらさを感じたときに潜在意識をひも解くように、
子どもたちが毎日を過ごしているまさに今、
潜在意識がつくられています。
頭とこころの間にあるフタはおおよそ12歳頃には閉じるといわれています)

乳幼児期の過ごし方は、小学校時代に影響していますし、
それをあわせた12歳頃までにつくられたパターンを
大人になった今でも採用して私たちは生きています。
そのパターン(=思い込み)がもし今の自分をしんどくさせているのなら
パターンを見つけ、それを変えることで、より楽に生きられるように
なります。

「カチン!」「イラッ!」「がっくり…」etc.
感情が大きく動いて負担に感じるとき、「考えないようにしよう」とするよりも、
その感情をしっかりと感じることで、自分自身で扱えるサイズにすることができます。
「どうしてこんなふうに感じるんだろう」とひも解いていくのがひとりで負担なら、
誰かに支えてもらいながら向き合ったらいいです。
今すぐに向き合うのが難しいなら、「その時」が来るまで待つのも一つの方法です。
ザワッとした感じや違和感をキャッチするのがコワかったら、
まずは、自分をゆっくりと休ませてあげてくださいね。

☆” とりあえずこころに問いかけてみて