◎気になる子どもの様子に気づいたとき

毎日子どもたちと接しているうちに、
「な~~んかこの子のココ、気になるよな~」「ウン、やっぱり気になる」
と感じることがありますよね。
そんなとき、あなたはどうしていますか?
何日か続けて様子を見てみる?
他の先生にも話して一緒に見てもらう?
それとも保護者に伝える?
どの選択肢をとるにせよ、非常に頭を悩ませる問題です。

◎保護者への伝え方とその悩み

保護者に気になることを伝えるのは非常に難しいです。
保護者の気持ちを思うと想像できるだけに伝えるのは余計にツラい。
でも、子どものためには早期に気づいて具体的な手立てを取る方がいいと思えば、
やはり伝えた方がいい。
そして、園としてもいろいろ考えた結果、伝えようということになり、
いざ保護者に伝えると、
「うちの子どもがおかしいって言うんかい!」
と激怒されることがあります。

保育士にしてみれば「ホントはこんなこと言いたくないんだけど子どものことを思うと…」
の一心で意を決して伝えているのに、
その気持ちは保護者には受け止めてもらえず
逆に責められるような状況になってしまうのです。

理不尽だぁー!
と感じたって無理はありません。

◎保護者の気持ちと自分の気持ちの境界線を引く

保護者のショックな気持ちは理解できます。
わが子がちょっと他のみんなとは違っているみたいだと言われたときには、
どう受け止めていいかわからず、
その後に怒りがわいてきて、その感情を自分ではどうにもできず、
身近にいる先生にぶつけてしまうことがあります。
でも、ぶつけられた方はダメージが大きいです。
受け止めるのも仕事のうちとはいえ、あなたが悪いわけではありません。
保護者の気持ちとあなたの気持ち、ここにはしっかりと境界線を引くことが必要です。

◎感情のケアと専門家の活用

保育園に勤めていると、このような理不尽な怒りをぶつけられることはしばしばあります。
保護者が職場で何かイライラすることがあって、そのまま保育園に迎えに来たときに、
そのイライラを保育士にぶつけることもあります。
保育士にしてみたら「なんでなん?!」「私に関係ないでしょ」と感じることも多いでしょう。
保護者はそれができるからいいけど
じゃあ私たち保育士はどうなるの?と思うのも当然です。
もちろん、保育士が悪いわけではありません。

保育士だって人間ですから、感情をぶつけられた不快感は大いに残りますし、
怒りだってわいてきます。
でも、その怒りをまた次の誰かにぶつけていたら、マイナスの連鎖になってしまいます。
こんなときは「私は悪くない」と紙に書いて、よく目につくところに貼っておくのがおススメです。
あなたは悪くないですから。
そして、何度もご自分にこの言葉を言ってあげてください。

あ、悪くないっていう否定形は潜在意識が理解できないから
「私はベストを尽くしている」
「私は子どもにとって最善のことをしている」
といった肯定的な言葉を使うのがいいですね。

◎感情の整理とサポートを受けることの重要性

仕事が終わってからも怒りがフツフツとわいてくるときは、
「怒ってるよね~わたし」
「そりゃ腹も立つよ。私には関係ない怒りをぶつけられちゃってさ」
と自分の感情に寄り添ってあげると、少しずつ落ち着いてきます。
次からはどうしようこうしようという考えも見えてきます。
信頼できる誰かに気持ちを受け止めてもらうことも重要です。
その際には「アドバイスはいらないから気持ちだけ聞いて」と先に伝えることをおススメします。

◎自己ケアの重要性とカウンセリングの活用

保育士という仕事は毎日人が相手で、受け止めることの大切さは常々職場でも言われますし、保育士自身も重々承知しています。
しかし、子どもの気持ちや保護者の気持ちを受け止めるばかりでは、自分がどんどん枯渇していきます。
自分が良いコンディションで満たされた状態でこそ、人の気持ちを受け止めることができるのです。

ちょっとずつのストレスがケアしないまま毎日積み重なっていくと、
非常に大きなエネルギー消耗になってしまいます。
ご自分を大切にするためにも、日々のケアにカウンセリングをぜひご活用ください。
あなたが心身ともにいい状態であることが、子どもたちや保護者にとっても最善の環境を提供することにつながります。