◎保護者とのやり取りで感じるストレス
保育園で働く方だけでなく、幼稚園や学校、福祉・医療関係の方々も、
仕事で直接関わる子どもたちやクライエントさん以外に、
その保護者やご家族と話す機会が多いものです。
その際、言葉は慎重に選ぶでしょうし、自分の考えや感じていることのすべてを話すことはあまりないでしょう。
どちらかと言えば、がまんすることが多いのではないでしょうか。
特に、文句や苦情を言われたり責められたりするような場面では、
こちらの言いたいことを飲み込み、感情を抑え、聞き役に回ることが多いと感じている方も多いでしょう。
これは本当に疲れることです。
特に保育園では、毎日送迎の朝と夕方の2回、必ず保護者と会います。
いつも子どもたちの楽しい話ができればいいのですが、
なかには、いつ苦情を言ってくるかわからない、言ってきたときにはすごく感情的で攻撃的になる保護者もいらっしゃるかもしれませんね。
だとすると、毎日2回「今日は何か言ってくるかな…」「また大声でまくしたてられたらどうしよう…」と考えるだけで、すごいストレスです。
緊張して冷や汗や動悸がひどくなり、具合が悪くなることがあるかもしれません。
◎感情労働と保育園特有の長時間の緊張状態
保育や介護、看護などは感情労働と呼ばれ、人を相手にする仕事は非常に疲れるものです。
特に保育園では、子どもたちが昼までで帰ることはほぼないし、
学校のように子どもだけが来たり帰ったりするわけでもありません。クリニックのように昼でいったん終わり、また夕方から・・と長い昼休みを取ることもできません。
早朝から夕方遅くまで子どもがいる間はずーっと緊張状態が続くことになります。
命を預かっていますからね。その責任は大きく、それがさらにストレスの原因となります。
そして、必ず1日2回保護者と接する機会があるので、これもさらに疲れを増す要因になります。
◎自分の心のケアを大切に:ストレス軽減のために
このような環境だからこそ、
疲れ切ってしまう前に、普段からご自分のこころのケアを大切にしてほしい、
自分よりひとのことを優先してつい頑張ってしまう方にそのことに気付いてほしい、
ということをお伝えしたいのですが、
そういう方はきっと
「私は大丈夫」
「頑張ってることが充実感なんだ」
「子ども(クライエントさん)のために何かすることが私の元気のもと!」
と感じているかもしれませんね。
ですが、頑張らなくてもいいのです。がまんしなくてもいいのです。
わいてきた感情は否定せず、抑え込まなくてもいいのです。
いつも「良い人」である必要はありません。自分を優先して、自分のことを大事にしてもいいのです。
いつも相手を受け止めないと、と思わなくてもいいです。
自分が受け止められる状態でないときは、相手を受け止めることをお休みしていい。
相手が保護者であっても、自分の感情を伝えること、嫌なことは「嫌だ」と言うこと、
強引な頼みごとは「無理です」と断ってもいいのです。
接するのが大きなストレスになるときは、その人から少し距離を置いたらいいです。
◎保育現場でのサポートと考え方のクセ
保育園で働いている方や、保育・子どもに関わる仕事をしている方々がこのブログを見つけてくださると嬉しいです。
私の知っていることや経験が少しでも役に立てば、それが子どもたちの安心と安全に繋がることが私の願いです。
子どもたちに笑顔で接することができる体と心が元気な状態でいられたら、
子どもたちは「先生は自分のことを分かってくれている」「先生といると安心する」と感じることができます。
どの子にも安心して子ども時代を過ごしてほしいと願っています。
もし、そんな子ども時代を過ごせずに大人になったとしても、気づいた時からやり直すことはできます。
「こうしたかったのに子どもの時できなかった」「だからいつもこんな感情がわいてくる」と気づくことで、色々なことがひも解けていきます。
◎ストレス軽減のための思考パターンの見直し
これまで、熱心で頑張りやの先生方とたくさん出会ってきました。
それでしんどくなったり、調子を崩したケースも知っています。現場の大変さ、しんどさもよくわかります。
だからこそ、私は保育園で働く方や保育・子どもに携わる仕事をしている方々が、自分らしく、肩の力を抜いて、楽しく毎日を過ごせるお手伝いをしたいと考えています。
考え方のクセや物事の受け止め方が変わると、同じ出来事があってもストレスは違ってきます。
自分の心のケアを大切にすることが、結果的に子どもたちの笑顔や安心に繋がるのです。