◎8か月不安て何?
「8か月不安」という言葉をご存知ですか?
お腹を床につけて両手両足交互に出して前に進む「ずりばい」で
子ども自身が興味のあるところに自分で移動できるようになった頃、
ある程度の距離まではすいすいと調子よく自分で移動していくのですが、
急に不安になったようにある所でピタッと止まり、
ふえ~~んと泣いたり、大人の方を振り返ったり、また戻ってきたりすることがあります。
ずりばいである範囲までは自由に動けるようになったものの
それ以上の遠いところまで自分で行くには
まだ体の発達が追い付いていなかったり不安があったりするので、
振り返ったり、行きつ戻りつして揺れるのですね。
こういった体とこころの成長の姿が、だいたい8か月ぐらいの時期に見られ、
この時期にはなんとな~く子どももグズったり泣きが増えることから
「8か月不安」と呼ばれています。
◎子どもが不安なとき大人はどうすればいい?
こういう不安な時期には、
大人がドーーーン!!と落ち着いて構えていることが大事ですね。
子どもがずりバイで探索しながら行動範囲を広げようといるとき、
不安で振り返ったら、しっかり目が合うところに大人がいてあげたいものです。
「大丈夫。ここにいるよ」と。
「行きたいなら行ってごらん。ここで見てるよ」
「不安なら戻ってきてもいいんだよ。ここにいるからね」
と、そこでドーーーンと落ち着いて見守る。
子どもはその大人の気持ちを受け取ります。
安心できたらまだ先に進んで行こうとトライするかもしれない。
不安が勝ったら戻ってきて抱っこしてもらって安心したいかもしれない。
安心できたらまたトライしようとします。
子どもが不安になって振り返ったとき
大人がよそ見してたり、その場所にいなかったら
子どもは余計に不安になります。
(パニックになるぐらい泣き叫ぶことも)
大人が一緒に不安になっていても
子どもはどうしていいかわかりませんね。
不安で揺れる気持ちを大人にしっかり受け止めてもらう経験が乏しいと、
9か月になっても「8か月不安」は続きます。
月齢が高くなっても「よくグズる」「よく泣く」「機嫌が悪い」状態が続きます。
そうなると大人も子どももしんどいですよね。
「8か月不安」の時期に限らず、
子どもが不安になるときはあります。
発達の姿としてこころが揺れやすかったり不安になることもあるし、そうでないこともあります。
でも不安なら「大丈夫」と受け止めてあげたらいい。
一時的なものだととらえれば、
「今はしっかり抱きしめる時期なんだな」と大人の方も少し気持ちが楽になるのでは?
永遠じゃないから。
◎子どもを受け止めるために大人にとって大切にしたいこと
大人も不安だったり自信がなかったりすると
子どものこころを受け止められません。
大人が不安になることも
また当たり前のことです。
大人も子どもと同じ。
ご自身を受け止めてくれる場所や人のところへ行って
安心の気持ちをじゅうぶんに感じてくださいね。
ひとを受け止めるには
自分がそういう状態でいるということが大切なのです。
だから、まずは自分が心地いい状態でいることを優先しましょう。
”自分ファースト”はジコチューや自分勝手とは違います。
こころのセルフケアは大切なことです。