素晴らしい演奏家から学ぶセルフケアの大切さ

先日、「恋するクラシック」という番組で、ヴァイオリニストの木嶋真優さんがゲスト出演されていました。
彼女は10代の早い頃からヨーロッパで勉強し、現在も世界的に活躍されている演奏家です。
その中で、木嶋さんが語った言葉には、セルフケアの重要性が深く刻まれていました。

自分らしさを大切にすることの価値

木嶋さんは、「素晴らしい演奏家の人がいたとしても、絶対その人にはなれない。
だから、自分の個性を磨くことが大切」とおっしゃっています。
これは、演奏家に限らず、すべての人に共通するメッセージです。
「自分を好きっていうこと、そうでいられるってこと。そう教えてもらったのが私に合っていたと思う」
と語っていたのも印象的でした。

こころのケアが仕事の質を高める

「演奏家として今も一番大切にしているのは”こころのケ”」と木嶋さんは語ります。
「練習も必要だけど、演奏でひとに伝えるには自分がいい状態じゃないといけない。
だから、休んだり気分転換を大切にしている。
私は自然の中に出かけて1日ボーーッとしているのが好き」
とおっしゃっていました。
そうやって心のバランスを取り戻しているのですね。

対人援助職にも通じるセルフケアの重要性

木嶋さんの言葉は、対人援助の仕事にもまったく同じことが言えます。
自分を後回しにして人のために奉仕するのが美徳とされる文化が日本にはありますが、
実際には自分を大切にすることが、他者を支える力につながります
心身ともに健康な状態でなければ、質の高い援助を提供することは難しいのです。

自己ケアを学ぶことの必要性

「セルフケア」という言葉は、元は飛行機関係の仕事で使われる言葉なのだそうです。
飛行機の緊急時におりてくる酸素マスクは、まず自分につけるのが鉄則。ということにも通じていますね。
じゃないとひとを助けられないから。
ひとを助けられる状態の自分にしておくのが前提」という考え方です。

残念ながら、こうした大事なことを日本の教育現場ではあまり教えてくれません。
特に、対人援助職に就いている人が、資格を取得する際や職場での研修で学んでほしい重要なスキルです。

木嶋真優さんの言葉から学べるように、自分の特性をいかし、個性を磨き、こころのケアをすることは、
演奏家だけでなく、すべての人にとって重要な要素です。
自分を大切にし、心身の健康を保つことで、他者に対してより良いサポートを提供できるのです。
今後、セルフケアの重要性が広く認識されることを願っています。