約10年ほど前に、
保育園にもカウンセラーが必要
だと考えるようになりました。

園長職でいた頃、
自分の考えや取ろうとする手立てに
「そう、それでいいよね」「そうしよう!」
と、確認と後押しがほしかった場面がたくさんありました。

また、自分が対応し切れない保護者との難しいケースもありました。

育ちが気になる子どもたちをどう理解して、どう関わったらよいのか迷い、
臨床心理士の方に来ていただいたことも何度かあります。

職員がしんどそうにしているのに気付いていても
自分では力になれないもどかしさを感じたことも多々あります。

何とか対応しようと自分でも本で学んだり、
考えつく限りの場所へ出向いて実情を話しアドバイスを求めたりもしました。
ですが、なかなか思うような返事は得られませんでした。

カウンセラー(臨床心理士)の方との出会いが与えてくれた大きな気づき

もう自分ではどうしようもなくなったとき、
あるカウンセラーの方とつながることができました。

連絡が取れたその場で、次に伺う日を決め、
さっそくカウンセリングを受けました。

続けて通い、話を聴いてもらい、アドバイスをもらうたびに、
自分の思考や感情が整理されていくのを実感しました。
こころの専門家」ってスバラシイ!

感銘を受け、憧れのような感情を持つようにもなりました。

「学校にスクールカウンセラーがいるなら、保育園にも」

カウンセリングを受ける中で、
「保育園にもカウンセラーが必要だ」と確信を持つようになりました。
常駐でなくてもよい、でも“いつでも相談できる人”がそばにいる必要性を感じたのです。

当時の私の切実な願いでした。

今振り返ってみると
当時の園長職での自分の大きなストレスは、

いち保育士ではなく
「園長として方針をださなくてはいけない」
「職員を守らなくてはいけない」と

自分なりに思い込んで、自分を追い詰めるほどに気負っていたからなのですね。

それが整理できたのも
カウンセリングのおかげです。

職員たちのカウンセリングは外部にお願いをしたのですが、
諸事情で単発に終わりました。

やはり日常的に相談できる人がそばにいてほしい、
毎日の出来事をリアルタイムで共有しながら
何かあったときにすぐ相談したい、
保育園の職員たちのこころの負担を減らすシステムがほしい、
そんな気持ちがどんどん大きくなっていました。

園長を退職、その後…

体調を崩して園長職は退きました。
仕事を辞めて療養に専念し、心身の回復に努めながら、
自分の育ちや背景を棚おろしして整理する期間となりました。
もちろん、カウンセラーの方のちからを借りて。

自分でもこころについて学ぶようになり、
それまでのいろんなことがつながって理解できるようになっていきました。

エネルギーが少しずつ戻ってくるにつれ、
次の仕事に気持ちが向くようになってきた頃、

「保育園で働く保育士の助けになるようなことがしたい」
「保育園のカウンセラーになろう」

そんな考えがムクムクと自分のなかで大きくなっていきました。

「保育園にもカウンセラーが必要」
「なら、自分がそれをやろう」
と思うようになったのですね。

臨床心理士の資格はなくても
保育の現場をよく知っている自分だからこそ、
できる支援があるのではないかと考えるようになりました。

「保育園にカウンセラー(心理職)?」

それまでのつながりを頼りに保育園の園長先生を訪ね、
自作のパンフやちらしを渡して

保育園にもカウンセラーが必要だということや
こころについての知識を持っておくことの大切さを自分なりに伝えたつもりですが、
反応は鈍く、なかなか「そうだね!じゃあ来てもらおうかな」とは言ってもらえませんでした。

伝える自分も未熟だったのは当然ですが、
保育園にカウンセラー(心理職)」という考え自体に
なじみがなかったのでしょう
し、
外部の人間を入れることに抵抗があったのかもしれません。
(保育士のカウンセリングをするなら、同じ職員の立場ではなく
第三者の立場(=外部の人間)が望ましいと考えていたので)

保育園の現状は…?

「保育園にカウンセラー(心理職)を」という思いに
なかなか応じてもらえなかった当時から約10年が経ちましたが、
今の保育園の状況はどうなのでしょうか?

「常に保育士(人材)不足」といったことを耳にすることが多いですが、
現在働いている保育士(職員)の方たちは、
やりがいを感じながら楽しく毎日を過ごしていらっしゃるのでしょうか?

ここ数年は療育の現場と関わる毎日ですので、
保育園の最近の様子には、すっかり疎くなってしまいました。

お役に立てる機会があったら嬉しいのになーと
あらためて感じている今日この頃です。

☆彡 いつでもご連絡くださいね。